麹の効能

「麹(こうじ)には健康や美容によい作用がある」という言葉を、聞いたことのある人もいるのではないでしょうか。
多くの発酵食品に含まれている「麹」には、健康に与える良い影響があると言われています。
麹の持つ力を、「美白」「肌荒れ防止」「アレルギー予防」の3つの観点から紹介します。
発酵食品の成分「麹」には美白作用がある?
「麹」を含んだ化粧品は、現在数多くのお店で取り扱われています。
これにはきちんとした理由があります。
コウジ酸(麹菌が作り出すもの)は、厚生労働省の認めた「美白成分」のうちの一つだからです。
美白成分は「お酒を造っている杜氏(とうじ)の手が白いこと」から発見されました。
1989年という、今から20年ほども前にすでに厚生労働省によって認可されたこの成分には、チロシナーゼの働きを抑える働きがあると言われています。
チロシナーゼは、肌を黒くさせるメラニンを合成する酵素です。
この働きを抑制することによって、シミなどの発生を抑えると言われています。
また、現在は、「黄色っぽいくすみ」を予防する可能性も示唆されています。
発酵食品に使われている「麹」は、基礎化粧品(薬用化粧品)に配合され、「塗布」というかたちでも利用されています。
麹を含んだ発酵食品は抗酸化作用でニキビなどの防止にも
「美白」も女性にとってうれしい働きですが、発酵食品である麹にはそれ以外に、「肌荒れを防止する」という働きも期待できます。
麹には抗酸化作用が期待できます。
体が酸化することによって肌トラブルが起きやすくなったり、老化しやすくなったり、がんになりやすくなったりするのではないかと考えられています。
それを抑える働きが麹にはある可能性があります。
抗酸化作用を発揮する成分として有名なのが、「ビタミンC」です。
ビタミンCにも強い抗酸化作用があり、よく美容の世界で取り上げられています。
また、この「ビタミンC」は、抗酸化物質であるのと同時に、厚生労働省に認められた美白成分でもあります。
麹(コウジ酸)にもビタミンVにも、抗酸化作用と美白作用の両方が期待できるのは、少し面白い話です。
ビタミンVはパプリカなどによく含まれていますから、パプリカを醤油(しょうゆ)や味噌(みそ)で焼き上げてみましょう。
麹の効果とビタミンVの効果を両方取り入れることができるでしょう。
麹にはつらいアレルギーに対抗する力も
意外に思われるかもしれませんが、麹には、「アレルギー」に対抗する力もあるとされています。
アレルギー反応のうちで、「カテプシンB」という酵素が関係しているアレルギーに、麹は対抗することができるのです。
このカテプシンBが動かないようにその働きを抑制することができるため、一部のアレルギーに対して、麹は有効に働くと言われています。
もっとも、これはあくまで「一部の」アレルギーに対して研究結果が出ているのみとなりますので、「全てのアレルギーは、麹をとれば治る」というものではありません。
このため、過信は禁物です。
特に、ひどいアレルギーですでに病院での治療を開始しているという場合は、まずは医師に相談することをおすすめします。
ただ、このような懸念材料があるにせよ、発酵食品が健康にさまざまなプラスの影響を与えることは確かです。
また、腸内環境を整えることはすでに知られていますし、現在では骨粗しょう症の予防にも役立つのではないかとも言われています。
まとめ
麹を含んだ食材や基礎化粧品には、さまざまな魅力があります。
麹(コウジ酸)は厚生労働省が認めた美白成分であり、数多くの基礎化粧品に配合されています。
また、高い抗酸化作用が期待できるので、肌トラブルなどへの対抗策としても利用できると考えられます。
「美白作用が期待できるとされている栄養素を持つ食材」「抗酸化作用を持つ食材」の2つの作用を併せ持つ食材として「パプリカ」があるので、一緒に取ってみるのもよいでしょう。
また、麹には一部のアレルギーに対抗する力もあるという研究結果もあります。
塗ってよし、食べてよし。発酵食品である麹の力を上手に利用していきたいものですね。